【書評・文章を書くことが苦手な部下にオススメしたら絶賛された】『言葉ダイエット』

言葉ダイエット

みなさん、こんばんは。管理人のひっぺです。

文章を書くこと、書くことで人に何かを伝えること。社会人になると、確実に接触回数が増えるスキルですよね。書くことはマネジメント、リーダーシップ、プレゼンテーションなどと同じで、「自分にはもともとそんな能力はないし、才能もないから」と、諦められがちなパターンの部類に入ると考えています。その前提の傾向が強いので、「できなくても仕方がない。誰もが皆、身に付けられるものでもない」と思われてしまいがちでもあります。

ぼくの部下に文章が苦手なメンバーがいます。何かの提案資料を作ってもらっても、言いたいことが明確化されていない。それなのに、核ではない枝葉の部分にがっつりページを割く。メールにしても、丁寧すぎる敬語と時代錯誤の言葉の使い方で、読む方もパワーを強いられます。このメンバーは典型的な「自分はこれだけ考えてやってます!」のアピールをしたいタイプです。承認欲求も高いだけに、なかなか一筋縄ではいきません。プライドも高いもので。

何度か文章の書き方や資料の作り方を指導したのですが、なかなか改善が見られません。何度も伝えると、「信用されていない」という話になり、管理する側としても心理的負担が増大します。「諦めも選択肢のひとつだし、もう手をかけるのもやめよう」と何度も投げ出そうと思いましたが、メンバーの成長を促すのも管理職の務めなので、なんとか踏ん張っているところです。

そこで思ったのが、「ぼくに言われるから嫌にもなるんだろうな」という点です。ぼくからすると、部下をコントロールできない上司のポジショニングで思うとこありですが、現実かもしれないので致し方なし。ということで、客観的な意見を求めて書店に走りました。こういうときって、カラーバスのような形で、部下に伝えたい内容が書かれていそうな本以外に目がいかないんです。「文章、言葉、伝え方」と念仏のように唱えながら書棚を見わたし、ストンと手にも心にも落ちてきたのが『言葉ダイエット』でした。

書くことや言葉にすることは、何も特別な才能が必要なわけではありません。誰でも今日からスタートできるもの。そのヒントが『言葉ダイエット』にはたくさん含まれています。


記事タイトルにも結論を書いちゃってますが、『言葉ダイエット』を件のメンバーにオススメしたら、「めちゃくちゃわかりやすくて、スッと入ってきます。ありがとございます。Kindle版が無料なのもさすがですね!」と言われました。「何がさすがやねん」と5秒くらいイラつきましたが、結果オーライだったので、ポジティブ変換をしてイラつきを飛ばしました。

言葉ダイエットというタイトルが秀逸

まずここですね。文章が壊滅し、何が言いたいかよくわからないことになっているメンバーに、一番伝えたかったのは「もっとシンプルに、もっとカジュアルに、言葉と触れ合ってみようよ」でした。

文章を書くこと、書いて何かを伝えることに必ず誰かがいます。プレゼン資料であれば社内の上層部や協力会社の担当者かもしれませんし、メールであれば他部署の人にも送ることだって往々にしてあります。書くことがすでに、誰かに伝えるモードになるわけですね。でもメンバーはその人が見えていなく、自分がやって考えたことだけを伝えたくなっている。「みんな聞いて聞いて!」の一方通行的文章。なので、自然と文章のボリュームは増えていきます。しかも自分は理解できている文章で。受け取る相手は「そりゃ重いやろ。ヘビー級や」となっちゃいます。

良い意味で言葉を削ぎ落としていく。それをダイエットというイメージがしやすく、身近な言葉で定義づけている点が素敵です。著者の橋口さんはコピーライターとして活躍されています。クリエイティブな業務をする人は、無駄を省いていくことから始めるのでしょうね。でないと世の中に、わけわからん文章が溢れてしまいますから。オーマイガッ!

言葉ダイエットは事例が豊富

文章術系の本でよくあるのが、文法や構造の解説にページを割いて、余計に文章をとっつきにくくしているパターンです。例えば接続詞とか、装飾の仕方とか、文章の読みやすさを上げるためには必要になるときもあります。でも日常使いやビジネス使いの文章に、そこまで厳格な話は不要だと思うんです。伝えたいことを伝わるように書ければ、それで事足りると思いますし。論文テイストの文章が必要なわけでもないですしね。

その点『言葉ダイエット』は事例が豊富です。単なる事例ではなく、身近でイメージしやすくて、「あぁ、なるほどね」と身になる事例です。自ら言葉ダイエットにチャレンジできる本の作りなので、コピーライターの橋口さんの授業を受けている感覚にもなります。言葉ダイエットを目指す本ですので、もちろん解説も的を得ながらちゃんとダイエットされています。なので、文字がスラスラ己の中に浸透していくのです。

言葉ダイエットの考え方が身についてくると、書き出しのときのマインドも変わるなと思っています。いままでは、自分の言いたいことだけをズバーっと書くスタンスでしたが、勉強したことで「これは、上司のひっぺにこうしてほしくて伝えなくちゃだから、ここにポイントを絞って書かないとな」ということを、メンバーも体感できているように思います。ちなみに、ひっぺはぼくのことです。覚えていただけてますか。てへ。

言葉ダイエットの対談に心震える

本書の中で、橋口さんが『読みたいことを、書けばいい。』の著者・田中泰延さんと対談されています。ここがですね、もうですね、わたくしひっぺの激アツポイントでした。ここが読めただけでも、ばっちり投資した金額以上のバックをいただけたと思っています。あざまーす!

では、何が書かれているのか。それは本書を読めばわかるので、ここで概要を書いたりする無粋なことはいたしません。ぜひご自身で、本書を手に取って、体感いただきたいです。震えます、ぶるぶるっと。おしっこちびりそうなくらいでした。良識ある大人なので、気合いで乗り切りましたけど。

とか言いつつ、やはりぼくの中にも「自分のことを伝えたい欲」があるんでしょうね。心に強く印象に残った言紹介します。

長くて回りくどい文章を書く人は、仕事より自分が嫌われないことを優先していると思います。

もうね、本当にその通りです。保身のためにと言い換えられるとも思います。特にビジネスにおいては、自分のために文章を書く必要はないですよね。相手に伝わって、動かすことができてこそ、文章が成立するというもの。自分どうこうの利己的なスタンスではなく、やはりビジネスなので仕事をしなくちゃダメですよね。胸に突き刺さる一文です。

さらっと読める215ページの中に、気付きの種が散りばめられています。文章を書くのが苦手な方も、苦手意識を抱いていない方も、言葉ダイエットという考え方に触れてみることをオススメします。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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